ホットブラストランタンの仕組みと魅力を「ヴィンテージランタン販売店TOMOS」の荒川が解説します。
執筆 | ヴィンテージランタン販売店 TOMOS 荒川聡 | オフィシャルページはこちら |
オイルランタンには2種類の循環方式があり、一つは今回のホットブラスト方式、そしてもう一つがFEUERHAND276やDIETZ78などのコールドブラスト方式があります。この2種類の特徴を見ていきましょう。
『ホットブラスト方式』
ホットブラストランタン約100年前から存在している歴史の長い循環方式です。ホットブラスト方式は、炎により発生した上昇気流の排熱を両脇にあるチャンバー(空気が循環するパイプ)を通って燃料タンクの上部のバーナーへと再循環されるシステムです。
![ホットブラスト方式](https://plankhouse.net/wp-content/uploads/2022/12/unnamed-747x1024.jpg)
オイルランタンの製造が始まった時代は、このホットブラスト方式のランタンが数多くありました。FEUERHANDのみでなくDIETZやBAT、その他オイルランタンメーカーからも1900年以降数多くのホットブラストランタンが製造販売されました。
当時この方式のメリットは構造が簡易的な為安価に製造できた事、また精製度の低い粗悪な燃料でも排熱を利用する事により点火できた事、そして比較的燃焼能力が低い為燃費が良かったそうです。しかし燃焼能力が低い為、光量が低いのが欠点でした。
『コールドブラスト方式』
![コールドブラスト方式](https://plankhouse.net/wp-content/uploads/2022/12/unnamed-5-768x1024.jpg)
一方、コールドブラスト方式とは、炎によりできた上昇気流のほとんどをランタン上部から外部へ排出し、ホヤガラス下にある穴の空いたプレート下部より新鮮な酸素を吸い込んでいます。そして一部をチャンバーを通ってバーナーへと循環させるシステムです。
より多くの新鮮な酸素をバーナーへと供給するため、燃焼能力が非常に高く、現代で製造されているほとんどがこのコールドブラスト方式によるものです。
人気のFeuerhand276やデイツ78がこの燃焼方式にあたります。
現代に蘇るホットブラスとの魅力
しかし現在では粗悪な灯油は無く、またススや臭いの出にくいパラフィンオイルもある事から、ホットブラストの光量も変わりなく明るいと思います。使用する芯も大きめな事が多い為十分な光量を持っています。
それではホットブラストランタンの魅力とはなんでしょう…?
それはホヤガラスです。
![FEUERHAND Nr.323 DEEP PURPLE GLASS](https://plankhouse.net/wp-content/uploads/2022/12/02-3-816x1024.jpg)
![FEUERHAND Nr.201 GREEN GLASS](https://plankhouse.net/wp-content/uploads/2022/12/03-2-816x1024.jpg)
ホットブラストランタンに装着されているホヤガラスはコールドブラストランタンより比較的大型の物が多く、各メーカーより様々なエンボスによる装飾やカラーが作られてきました。当記事トップの写真内のガラスはグリーンで、大変貴重で高価です。
![BAT 2850](https://plankhouse.net/wp-content/uploads/2022/12/unnamed-2-768x1024.jpg)
![BAT Kieler Stallanterne](https://plankhouse.net/wp-content/uploads/2022/12/unnamed-3-768x1024.jpg)
海外にはホットブラストランタンのコレクターがいる程その魅力は大変大きいです。
キャンプサイトでも特別な存在になるホットブラストランタンの紹介でした。