「ヴィンテージランタン販売店TOMOS」の荒川と申します。今回は、当店でも特に人気のあるハリケーンランタン「FEUERHAND 276 BABY SPECIAL」のSTURMKAPPEモデルをご紹介します!
執筆 | ヴィンテージランタン販売店 TOMOS 荒川聡 | オフィシャルサイトはこちら |
日本でも販売されていたSTURMKAPPE
ドイツの老舗ランタンのメーカーであるFEUERHANDより、唯一現行で販売されているのが276というモデルのみですが、過去日本でも販売されていたSTURMKAPPEの276というモデルがあります。現在では惜しくも廃盤となりましたが、そのデザイン性により現在でも根強い人気があります。
独特な風防STURMKAPPE(ストームキャップ)
まず外見で最も大きな特徴は、上部にノーマルには無い風防が付いていることです。この風防をSTURMKAPPE(ストームキャップ)と呼んでいます。そして、風防の中央にはその刻印があり、そのすぐ下にはドイツ語で「Garantiert sturmsicher」と刻印があります。この意味は「防風を保証する」です。
歴史を感じるホヤガラス(JENAER GLAS)
また276STK(STURMKAPPEの略)のホヤガラスは、西ドイツ製JENAER GLAS(イエナグラス)が装着され、現行品にはドイツ製SUPRAX GLASが使われています。形状にも違いがあり、JENAER GLASの方が若干下部の方が膨らんでいて、この形状も私の萌えポイントです。この276STKは1950年頃より登場し、主に戦後復興の際に、建築現場や道路工事用の安全灯として使われてきました。
タンクの刻印
そして写真の276STKは、1970年頃にドイツ軍が使用していたモデルで、タンク側面に「VERSORGーNR.6260-12-5947」と刻印があり、ドイツ軍へ配給されたことを証明しています。
このように、当時はハリケーンランタンがライフラインの一つとして、街中でまた戦場で各方面の「灯り」として活躍していましたが、時代と共にその灯りが電球からLEDと変わって行きました。
オイルランタンはファンも多く、まだ現行品も存在しますが、FEUERHANDでは残すところ276ノーマル版のみとなったのです。
276のモデルには、過去にアメリカへ輸出されたものやフランスへ輸出されたものなど、たくさんのモデルが存在し、その一つ一つにデザインに違いがあります。それはまたの機会にご紹介させていただきますので、今後の記事も要チェックです!